通潤の酒造り

輪違い紋の暖簾をくぐると
ふわりと広がる、あまい香り。

それは、二五〇年の歳月をかけて
木造の酒蔵に染み込んだ、麹の香り。

冬、酒造りが始まると
香りはより一層濃く、あまく、
酒米を蒸す湯気とともに
雪で覆われた蔵全体を包み込む。

春が近づくと
蔵は酒造りを終えて静かになり
水神様が祀られた池のほとりに
渾々と湧き出る水の音だけが
清庭に心地よく響きわたる。

そして鳥のさえずりや蝉の声、
四季折々の自然の景色に彩られながら
蔵は、次の冬が来るのを心待ちにする。

通潤の里

水の生まれる場所。
篤農家の思いを受け継ぎ醸す酒。

緑川、五ヶ瀬川の両大河が生まれる水の生まれる場所、山都町。
「JAかみましき酒米部会」のご協力により使う酒米のほぼ100%を、山都町で契約栽培していただいております。

山田錦を始めとする酒米の栽培は決して簡単なことではありませんが、「山都町」にこだわった酒造りをしたいという通潤酒造の想いに応えてくれる篤農家の皆さまに通潤酒造の酒造りは支えられています。

山都町は、
九州のほぼ中央にあることから
「九州のへそ」と呼ばれています。

北部は阿蘇南外輪山麓、
南部は九州脊梁山地に位置しておりその特徴的な地勢が形成する自然環境は豊かな生態系を育くんでいます。

また、準高冷地のため夏は涼しい反面、冬は降雪もあり寒さが厳しく酒造りをするには最適な条件が揃っています。

「くまもと酵母」への
こだわり。

「くまもと酵母」は、熊本県酒造研究所にて育成、実用化された酵母です。
上品で優しい味わいと穏やかな吟醸香は、料理の邪魔をせず食前・食中・食後と、それぞれに楽しめます。
弊社では、吟醸酒だけではなく純米酒や普通酒など、すべての酒に「くまもと酵母」を使用しています。