それは、二五〇年の歳月をかけて
木造の酒蔵に染み込んだ、麹の香り。
冬、酒造りが始まると
香りはより一層濃く、あまく、
酒米を蒸す湯気とともに
雪で覆われた蔵全体を包み込む。
春が近づくと
蔵は酒造りを終えて静かになり
水神様が祀られた池のほとりに
渾々と湧き出る水の音だけが
清庭に心地よく響きわたる。
そして鳥のさえずりや蝉の声、
四季折々の自然の景色に彩られながら
蔵は、次の冬が来るのを心待ちにする。
Safety prayer festival
通潤の冬
酒造りの安全を祈る
Washing rice
米を洗い水に浸しふくませる
菌が好む水分量にするために時間を計る
磨かれた米は輝いている
Steaming rice
蒸米が始まると蔵から蒸気が上がる
町は米の甘い香りに包まれる
maiking koji
室温 約30℃
湿度 約75%
麹の面、香り、手触り
全神経を集中して2日間麹菌と対話する
De-koji
米麹を冷気で乾燥させ雑菌の繁殖を防ぐ
ここには酒造りに必要な寒さがある
Fermentation Mash
蒸米・米麹・水
夏の間に準備した櫂(かいぼう)棒で混ぜる
最初はずっしりと重たい
発酵が始まると蔵は甘い香りに包まれる
Pressing
ついに搾りの時が来た
ゆっくりゆっくり搾っていく
Sign for new sake
軒先の杉玉を新しくする
町中の人に新酒が出来た事を知らせる
杉玉は造り酒屋の一番の看板
Clean up with gratitude
酒造りの終わり、道具を片付ける
活気があった蔵は急に静かになる
蔵子が居ない春は少し寂しい季節
To the next winter
酒蔵の中で酒は静かに眠る
蔵を洗い道具をこしらえる
緑川、五ヶ瀬川の両大河が生まれる水の生まれる場所、山都町。
「JAかみましき酒米部会」のご協力により使う酒米のほぼ100%を、山都町で契約栽培していただいております。
山田錦を始めとする酒米の栽培は決して簡単なことではありませんが、「山都町」にこだわった酒造りをしたいという通潤酒造の想いに応えてくれる篤農家の皆さまに通潤酒造の酒造りは支えられています。
北部は阿蘇南外輪山麓、
南部は九州脊梁山地に位置しておりその特徴的な地勢が形成する自然環境は豊かな生態系を育くんでいます。
また、準高冷地のため夏は涼しい反面、冬は降雪もあり寒さが厳しく酒造りをするには最適な条件が揃っています。
「くまもと酵母」は、熊本県酒造研究所にて育成、実用化された酵母です。
上品で優しい味わいと穏やかな吟醸香は、料理の邪魔をせず食前・食中・食後と、それぞれに楽しめます。
弊社では、吟醸酒だけではなく純米酒や普通酒など、すべての酒に「くまもと酵母」を使用しています。