日本人は何のために日本酒を飲むのでしょう。のどが渇いているから、栄養になるから。
いやいやそうではないはずです。日本酒は心の飲み物です。
家庭でゆったりとした時間を過ごしたいとき、遠来の友と久しぶりに盃を 傾けるとき、一人静かに月を眺めるとき。
ゆとりの時間には日本酒の持つゆとりこそ必要です。

酒の肴に手間がかかる、お燗つけるのが面倒だ、確かにそうではありますが何でもインスタントにできる世の中だからこそゆっくりとした時間を日本酒とともに過ごしたいものです。

日本酒には物語があります、手仕事のこだわりがあります、ふるさとがあります。
通潤では地元山都町のお百姓さんと一緒に飲み、笑い、泣きしながら酒米を育ててもらっています。
実ったお米を大事に大事に蔵の中で醸し、豊かな味わいの日本酒にしています。
顔と顔の繋がった卸屋さん、小売店さん、飲食店さんの優しい手で皆様方のもとへと運ばれていきます。

これからも東肥後の山深き山都町にて、心を温める日本酒を醸して参ります。末永きご贔屓宜しくお願いいたします。

通潤酒造 12代目蔵元 山下泰雄




山都町での酒造りのこだわり

山都町は、澄んだ空気、旨い米、清らかな水に恵まれています。
冬場は寒さが厳しく、酒造りをするには最適な条件が揃っています。そこで地元の米、水、人によって醸される通潤の酒が生まれます。
また、夏場の涼しい環境は、ゆっくりと酒を熟成させ、滑らかな口当たりにしてくれます。
この山都町という土地で、地元の人に喜んでいただける日本酒、ここでしかできない地酒にこだわり製造しています。

「くまもと酵母」へのこだわり

くまもと酵母」は、熊本県酒造研究所にて育成、実用化された酵母で、一般的には「協会9号酵母」として認知されていますが、酒造研究所からわけてもらう生酵母は、協会9号とは違い、酵母自体がとても強く醪後半になってもバテることなく発酵が進み、安全に醸造できます。また日本酒の種類によって色々な使い方ができます。
吟醸酒にした場合、上品で優しい味わいと穏やかな吟醸香の酒になります。これは料理の邪魔をせず、食前・食中・食後と、それぞれに楽しめます。
純米酒などに使用した場合、協会9号酵母に比べて酸度が高く、後切れの良い香味のバランスのとれた酒に仕上がります。
普通酒では高酸性の「くまもと酵母」を使用し、アルコール等を添加しても酸味が負けず、飲み飽きしない酒質になります。
そのため弊社では、吟醸酒だけではなく純米酒や普通酒など、すべての酒に「くまもと酵母」を使用しています

杜氏 藤川博久

造り手の想い